現地に行っていろいろなものを見てくるフィールドワーク系ブログ

解体される中銀カプセルタワーを見てきました!

2022年(令和4年)4月17日投稿

探訪番号:4

ブログ分類:気になる建築物めぐりシリーズ #1

建築や都市計画の世界で「メタボリズム」という考え方があるのをご存知ですか?

「メタボリズム」は英語で「新陳代謝」を表す言葉です。

高度成長期の日本では、大規模な国土の開発、インフラの整備、ビルや住宅の建築が進みました。

そんな中で、都市や建築も、まるで生き物のように新陳代謝を繰り返しながら進化していくべきだ、と提唱する建築家のグループが現れたんです。

その中の一人が、世界的に知られた建築家の黒川紀章です。

黒川紀章が設計した建物は国内外にたくさんありますが、とくに有名なのが東京・銀座にある中銀(なかぎん)カプセルタワービルです。

このビルは、世界で初めて実用化されたカプセル型マンションなんです。部屋のひとつひとつが独立していて、老朽化したらカプセルごと取り替えられるように設計されていて、まさにメタボリズムの思想を具現化した建築物といえます。

しかし、実際にカプセルが交換されることはないまま建物全体が老朽化したため、先週12日より解体工事が始まりました。

そこで、工事前の最後の日曜日の10日、見に行ってきました。

【写真】丸い窓に、ブロックを積み立てたような特徴的な外観の中銀カプセルタワービルです。

撮影日:2022年4月10日 撮影地:東京都中央区銀座

【写真】最後の勇姿をカメラに収めようと、写真を撮られている方がたくさんいらっしゃいました。

【写真】建物はすっぽり工事用ネットに覆われて、すこし寂しい感じがしました。

【写真】裏側に回ってみると、隣接して建っていた中銀城山ビルはすでに解体されていました。

【写真】世界的にも知られた建築物のため、外国の方もたくさんいらっしゃいました。

【写真】首都高を挟んで反対側の汐留地区の歩道橋からは、全景を見ることができました。こちらにもカメラを向けるたくさんの人がいらっしゃいました。

撮影日:2022年4月10日 撮影地:東京都港区東新橋

建物は解体されますが、カプセル自体は別の場所で宿泊施設などに有効活用される予定になっているそうです。メタボリズムの思想はこれからも受け継がれていくのですね。