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戦後初の国産旅客機YS-11のロールアウトから60年!

2022年(令和4年)7月11日投稿 

探訪番号:7

ブログ分類:博物館めぐりシリーズ #4

第二次世界大戦まで、日本の航空機製造技術は高い水準を誇り、高性能の戦闘機をたくさん造っていました。

しかし戦争に負けると、アメリカにより占領状態となり、再び軍事大国とならないようにと、航空機製造を禁止され、航空機産業は徹底的に壊滅させられました。

その後、1952年のサンフランシスコ講和条約により日本が再独立すると航空機製造も解禁され、それを受けて、国産旅客機の量産を目指し、1957年に産・官・学の協力で、輸送機設計研究協会という財団法人が設立されました。

同協会は1959年に日本航空機製造株式会社となり、ついに戦後初めての国産旅客機を完成させ、1962年7月11日に試作第1号機が愛知県の三菱重工業小牧工場でロールアウト(お披露目)され、8月30日に初飛行に成功しました。

つまり、今日でロールアウトからちょうど60周年ということになります。

この飛行機は、輸送機設計研究協会の頭文字を採って「YS−11」と名付けられ、1974年まで180機が製造されましたが、その後国産旅客機の生産はほとんど行われず、かつての航空機製造大国の復活はなりませんでした。

60年前に初飛行したYS-11の試作第1号機は現存していて、成田空港近くの航空科学博物館に展示されていますので、見に行ってきました。

【写真】航空科学博物館の外観です。

撮影日;2022年7月9日 撮影地:千葉県山武郡芝山町岩山

【写真】館内にはジャンボジェット機の模型やエンジン、胴体断面、フライトシュミレータなどがありました。

【写真】3階はビューテラス、4階は展望レストラン、5階は展望展示室となっていました。

博物館は成田空港の滑走路の延長線上にあり、飛び立ったばかりの旅客機が頻繁に上空を通過します。

写真だと飛行機が小さく見えますが、実際に見るとかなりの迫力です。

【写真】YS-11の試作第1号機は、博物館向かいにある屋外展示場に展示されていました。

【写真】屋外展示場は囲いもなく自由に入れる構造ですが、「屋外展示場も場内ですので入館券が必要となります」の看板がありました。

【写真】試作第1号機という説明が書かれた看板がありました。

【写真】こじんまりして可愛らしい感じの機体です。でも、かなり貴重な機体だと思うのですが、雨晒しでいいのかな、とふと思いました。

【写真】現在の旅客機の主流となっているジェットエンジン(ターボファンエンジン)ではなく、プロペラを回して推力を得る、ターボプロップエンジンが採用されています。

【写真】機体には「PROP-JET」と書かれていました。

【写真】機体の下に入って、お腹をパチリ!