2022年(令和4年)10月16日投稿
探訪番号:12
ブログ分類:跡地めぐりシリーズ #2
昨日のブログでも書いたように、10月14日は「鉄道の日」でした。これは、日本で初めて鉄道が開業した日で、ちょうど150年前の明治5年(1872年)のことでした。
このことは紛れもない事実なのですが、少しだけモヤっとする点もあるんです。
まず、日付。実は、明治政府は明治5年12月2日をもって旧暦を廃止し、翌日を明治6年1月1日とする新暦(現在も使われている暦)に変更しました。
つまり、日本初の鉄道開業日はまだ旧暦。日付にすると、明治5年9月12日で、新暦に変換すると1872年10月14日、ということだったんです。
当日の一番列車は、朝10時に新橋停車場を出発、約1時間かけて横浜駅まで走り、横浜でも式典が挙行されたあと、折り返し列車が新橋停車場に向けて出発しました。
一番列車には、明治天皇をはじめ、西郷隆盛、板垣退助、勝海舟など、すごい面々が乗車。再来年発行予定の新一万円札の肖像画に決まっている渋沢栄一も乗っていたそうです。
じゃあ、日本で初めて鉄道に乗車したのは明治天皇や渋沢栄一なのかというと、なんと、4ヶ月前に品川駅と横浜駅の間で仮営業をスタートさせていたんです。
つまり、厳密にいうと、日本初の鉄道駅は新橋ではなく、品川と横浜だったんですね。
ついでにいうと、1853年に長崎でSLの模型が走ったという記録があり、さらに、1865年に同じく長崎で貿易商のトーマス・グラバーが、鉄道の売り込みのため1ヶ月間ミニ鉄道を敷設、現地の人を試乗させてSLを走らせるというデモンストレーションを行っています。
【写真】東海道線の電車に乗って、新橋駅から横浜駅まで来ました!駅名標には可愛らしいネズミのようなキャラクターが描かれていました。尻尾が「y」の形になっています。横浜駅のキャラクター?
撮影日:2022年10月14日 撮影地:横浜市西区南幸(横浜駅構内)
昨日のブログでも書いたように、日本初の鉄道が開業した150年前の新橋駅(新橋停車場)は、現在の新橋駅とは少し離れた場所にありました。
実は、横浜駅も、現在の横浜駅とは2kmほど離れた、現在の根岸線・桜木町駅のある場所にありました。
江戸時代は、東海道沿いの神奈川宿(現在の東神奈川駅付近)が栄えており、対岸の横浜は東海道から外れた小さな漁村でした。
しかし、1854年に開国を求めるアメリカのマシュー・ペリー提督と幕府の交渉場所として横浜村が選ばれ、今の山下公園近くにあった応接所で日米和親条約が締結され、我が国は開国の道に進むことになります。
以来、横浜村は外国人居留地となり、国際貿易港として発展、現在につながります。
だから、日本初の鉄道は、首都の東京と、外国への玄関口である横浜港近くの初代・横浜駅を結ぶのは自然な流れです。
しかし、1889年に江戸時代の東海道に沿う形で、新橋と神戸を結ぶ東海道本線が開通すると、初代・横浜駅はルートからはみ出すような位置になってしまいました。
そこで、1915年に東海道本線のルート上に横浜駅を移転、初代・横浜駅は桜木町駅と改称、さらに、1928年には現在の横浜駅の場所に再度移転しています。
ということで、横浜駅で根岸線に乗り換え、桜木町駅にも行きました!
【写真】駅名標が鉄道開業150年仕様になっていました!当時の初代・横浜駅の駅舎と列車のイラストが描かれていました。
撮影日:2022年10月14日 撮影地:横浜市中区桜木町(桜木町駅構内)
【写真】桜木町駅の外観です。初代・横浜駅は、120メートルほど関内駅寄りにあったそうです。
撮影日:2022年10月14日 撮影地:横浜市中区桜木町
【写真】コンコースには、初代・横浜駅の写真のパネルもありました。こちらも初代・新橋駅と同じ、リチャード・P・ブリジェンスの設計です。しかし、残念ながら関東大震災により焼失しました。
【写真】桜木町駅近くに、「旧横濱鉄道歴史展示・旧横ギャラリー」という施設がありました。鉄道開業にあたりイギリスから輸入された110型蒸気機関車(実物)が展示されていました。
【写真】機関車の後ろには、やはりイギリスから輸入された客車も連結されていましたが、こちらは当時の資料を元に再現されたものです。
【写真】桜木町駅近くには、「鉄道創業の地 記念碑」もありました。