現地に行っていろいろなものを見てくるフィールドワーク系ブログ

富士山に登りました!と言っても、都内の神社ですが(≧∇≦)

探訪日:2023年(令和5年)7月1日(土曜日)

探訪番号:22

投稿日:2023年7月5日

ブログ分類:富士塚に登るシリーズ #1

我が国には古来より、富士山を神様に見立てる「富士信仰」というのがあって、修験者が実際に富士山に登って霊場を巡って修行する、ということが行われてきました。

江戸時代になると、庶民の間にも富士山に登山して参拝する、というのが広まりますが、やはり、誰でも気軽に登山できる、というわけではありませんでした。

そこで、江戸の町では各地に富士山を模した「富士塚」というミニュチュアの富士山が造られ、そこに登れば本物の富士山に登ったのと同じくらいのご利益が得られる、とされました。

現在でも関東地方を中心に多くの富士塚が残っておりますので、登ってリポートしていきたいと思います。

本物の富士山の岩石を使った富士塚

今回私が行ったのは、東京都台東区の小野照崎神社の境内にある「下谷坂下富士」と呼ばれる富士塚です。

ここの富士塚は、天明年間(1782年)に、なんと富士山から岩石を運び入れて造られたもので、江戸七富士の一つに数えられ、国の重要有形民俗文化財にも指定されているんです。

毎年6月30日にお山開きが行われ(本物の富士山のお山開きは7月1日)、翌7月1日との2日間だけ、一般の人も登れるんです。

【写真】神社の近くの掲示板に、お山開きのお知らせポスターが貼ってありました!

撮影地:東京都台東区下谷

あいにくの雨でした

私が行った7月1日は朝から雨が降っていました。

もう少し様子を見てから出かけようかな、と思いましたが、やはり午前中にお参りした方が、より運気が上がるかな、と思い、開山の10時に合わせてお参りしました。

ところが、私が参拝した10〜11時台が雨のピーク。午後からは雨も上がり晴れ間ものぞいていましたから、午後からでもよかったかも(*^_^*)

【写真】富士塚に登る前に、富士山を御神体とする富士浅間神社にお参りし、登山の無事を祈りました。

撮影地:東京都台東区下谷(小野照崎神社内)

【写真】富士塚の入り口です。

撮影地:東京都台東区下谷(小野照崎神社内)

【写真】富士塚の高さは6メートルほどですが、登山道があり、ちゃんと一合目から十合目までありました。

撮影地:東京都台東区下谷(小野照崎神社内)
撮影地:東京都台東区下谷(小野照崎神社内)

【写真】雨で地面がぬかるんで、靴が滑って、予想以上の難登山に!

撮影地:東京都台東区下谷(小野照崎神社内)

【写真】山頂まであと一息!

撮影地:東京都台東区下谷(小野照崎神社内)

【写真】山頂から麓に向かってパチリ!

撮影地:東京都台東区下谷(小野照崎神社内)

【写真】下りは登りよりも険しい道で、足を滑らせそうで、ちょっと怖かったです。係の方が親切に誘導してくださいました。

撮影地:東京都台東区下谷(小野照崎神社内)

【写真】麓から山頂をパチリ!本物の富士山の岩石だから、すごい迫力です。転ぶことなく無事下山でき、しっかりご利益をいただけました*\(^o^)/*

撮影地:東京都台東区下谷(小野照崎神社内)

寅さん役の名優も祈願した「禁煙神社」

今回行った富士塚がある小野照崎神社は、別名「禁煙神社」とも呼ばれているそうです。これは、昭和期を代表する俳優の渥美清のエピソードによるものです。

若き日の渥美清は、役者としての自分の才能を信じていたものの、全く売れない日々が続いていたそうです。

そこで友人に相談すると、「何かを得ようとしたら、何かを我慢しなければならない」とアドバイスされ、大好きなタバコを我慢しようと思いつき、この神社にお参りに行って「もう一生タバコは吸いませんから仕事をください」と願掛けしたところ、なんと数日後に、彼のライフワークとなる映画『男はつらいよ』の寅さん役のオファーが来たのだそうです。

このエピソードが伝わり、今でも若手の芸能人や音楽家、芸術家たちが夢の成就を願ってお参りに来るそうなんです。とくに、渥美清がしたように、何か大好きなこと一つを我慢すると、より願いが叶いやすくなるとか。

私はタバコは全く吸いませんが、完全な肥満体。だから、心の中で密かに(食べ過ぎを我慢しよう!)と願掛けしました(^o^)