探訪日:2023年(令和5年)7月1日(土曜日)
探訪番号:23
投稿日:2023年7月10日
ブログ分類:銭湯・温泉めぐりシリーズ #1
前回のブログでは、東京都台東区にある小野照崎神社の中にある富士塚に登ったことを書きました。
ここの富士塚はなんと、江戸時代に富士山から岩石を運んで造られたものでした。
富士山の岩石といえば、同じ台東区内に、浴槽に本物の富士山の岩石が積み上げられた銭湯がありますので、富士塚を登ったあと、行ってきました。
【写真】とても風情のある外観です。
この銭湯は「燕湯」という名前です。
ウィキペディアによると、燕湯の開業時期は不明だそうですが、先代の建物は空襲で焼失し、現在の建物は、戦後の昭和25年に再建されたそうです。
「燕湯」の屋号は、先代の店主が新潟県燕市の出身だったことから付けられたそうです。
そういえば、東京の銭湯は新潟県から出てきた人が、大阪の銭湯は北陸3県から出てきた人が経営するケースが多いという話を聞いたことがあります。
【写真】暖簾には富士山の山頂に向かって飛んでいく燕の可愛らしいイラストが書いてありました。
今の銭湯は、世の中のニーズに合わせ、番台からフロント方式の受付に改造されたり、サウナや変わり風呂が設置されたりしていますが、ここは、本当に昔ながらの銭湯で、番台方式で、浴室には2つの浴槽があるだけの、シンプルな銭湯です。
実は、私の母の実家も、約40年前まで新潟県で銭湯を経営していて、それは昭和初期に建てられたものでしたが、雰囲気がとても似ていました。
現代風の銭湯もいいけど、こういうタイプの銭湯は、いつまでも残ってほしいな〜、と思います。
お湯は東京の銭湯らしく熱め。スーパー銭湯はぬるめのところが多いですが、私はどちらかというと、熱いお風呂の方が好きです。
そして天井まで堆く積まれた岩石は、小野照崎神社の富士塚と同様、本物の富士山の岩石だから、大迫力です。
富士山は昭和11年に国立公園に指定されました。国立公園に指定されると、環境保護のために開発が制限されて、岩石等を運び出すことはできません。
つまり、燕湯の岩石は、富士山が国立公園に指定される前に運ばれたもので、とても歴史のあるものだとわかります。
【写真】そんな事情もあり、現在では再現不能な銭湯建築ということで、東京都の銭湯では初めて国の登録有形文化財に指定されました。
東京都内の銭湯は、燃料費の高騰等の影響で3年連続で値上げ。私が燕湯に行った7月1日から大人の入浴料が500円から520円になりました。
私の後から入ってきた常連さんらしきお客さんが番台に500円玉を置くと、「今日から20円上がったんだわ〜」と言われていました(^o^)
【写真】銭湯の前に立っていた入浴案内のポスターには、不思議なイラストが描いてありました。
【写真】私が行った日は雨が降っていました。傘置き場がなかったのでどうするのかな、と思っていたら、こんな張り紙が!
なんと、下駄箱の奥の方まで穴が空いていて、長い傘でも収納できるようになっていました。