探訪日:2023年(令和5年)7月29日(土曜日)
探訪番号:29
投稿日:2023年8月11日
ブログ分類:パワースポットめぐりシリーズ #4
今日8月11日は「山の日」ですね。これは「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ということを趣旨とする国民の祝日で、2016年から始まった新しい祝日です。
1996年からは、7月に「海の日」という新しい祝日も始まりました。考えてみると、日本の国土は平地が極めて少なく、言ってみれば海と山でほとんど構成される国ですので、2つの祝日は我が国ならでは、といった感じですよね〜。
ところで、日本一高い山は富士山ですが、東京23区内で一番高い山はどこだかご存知ですか?
それは、港区にある「愛宕山(あたごやま)」という山で、標高はなんと25.7メートルしかないんです。
ちなみに、新宿区には「箱根山」という標高44.6メートルの山があるのですが、ここはなんと、江戸時代に尾張徳川家の下屋敷があり庭園を造成する際に池を掘った残土を積み上げて作った築山、つまり人工の山なんです。
だから、天然の山としては港区の愛宕山が ”23区最高峰” ということになり、国土地理院の地形図では23区内で唯一の「山」として掲載されています。
愛宕山の山頂には「愛宕神社」という神社がありますので、行ってお参りに行ってまいりました。
愛宕神社は、慶長8年(1603年)の創建です。江戸に幕府を開くにあたり、初代将軍の徳川家康が、防火の神様として祀ったのが始まりだそうです。
愛宕神社の総本社は京都にあり、火伏せ(防火)の神様として知られています。
【写真】愛宕下通りに面したところに、大鳥居があり、脇には「出世の石段」と書かれた看板もありました。なんでしょうね?
【写真】大鳥居の先には、山頂へと続く86段もある急な階段がありました!(>_<)
愛宕神社の階段がなんで「出世の石段」と呼ばれているのかというと、江戸時代の故事にちなんでいます。
寛永11年(1634年)の春のある日、三代将軍の徳川家光が徳川家の菩提寺である増上寺のお参りに行った帰りに、この石段の前を通りかかります。
石段の上は梅が満開で、それを目にした家光は「誰か、馬にてあの梅を取って参れ」と、今なら完全にパワハラでアウトなムチャぶりを家臣たちにします。
でも、こんな急な石段を馬で登ったら、一歩間違えば馬もろともにすってんころりんして、下手をすれば命を落とすことになりかねませんので、みんな一様に下を向いて黙り込んでいました。
あまりに情けない家臣の様子に家光もイライラしていたところ、一人の男が馬で石段を登り、見事に梅を取ってきて、家光に献上しました。
家光はその男のことを知らなかったのですが、讃岐丸亀藩(今の香川県丸亀市)の家臣の曲垣平九郎(まがき・へいくろう)という男だと知らされ、家光は感心して「日本一の馬術の達人」と称え、日本中にその名を轟かせるようになったのだそうです。
【写真】石段の一番下に立ち、上を見上げました。出世のために私も登らなければなりません。
【写真】両脇には、狛犬が無事登れるように見守ってくれていました。なかなか可愛い顔をした狛犬です。
【写真】さあ登ろう!と足元を見ると、こんな注意書きが!参拝のお客さんがたくさんいらっしゃる神社ですので、そこでトレーニングというのは迷惑になりますよね〜。
【写真】半分くらい登ったところで後ろを向いてパチリ!下から見上げるより急な傾斜で、ちょっと怖いです。
【写真】頂上まであと少し。ここにも鳥居がありました。
【写真】山頂まで登りました!といっても数分の ”登山” ですけどね(#^.^#)
【写真】階段の一番上から下を撮りました。結構な高さです。トレーニングしたくなる気持ちもちょっとわかる…。
【写真】階段を登った先には朱色が鮮やかな丹塗りの門がありました。さすが家康公が創った神社だけあって、葵の御紋が輝いていました。
【写真】門をくぐると本殿がありました。立派な佇まいです。
【写真】本殿前には「将軍梅」と書かれた看板がありました。これが、曲垣平九郎が家光公に献上した梅の木と言われています。
なお、出世の石段の隣には、多少緩やかな「女坂」という階段もあるのですが、なんと、現在愛宕神社は境内整備の大規模な工事を実施していて、女坂も閉鎖していました。
実は出世の石段は、登りは思ったほどキツくないのですが、下りは急斜面ゆえにちょっと怖いんです。
だから、登りは出世の石段、帰りは女坂で、という参拝客の方も多いのですが、現在はできません。
じゃあ、ご高齢の方や足の不自由な方はどうすればいいんでしょうか!
実はまだ他にも登山ルートはありますので、次回のブログでご紹介しようと思います。
【写真】女坂は出世の石段の右横にあるのですが、工事用フェンスで入れないようになっていました。
測量法という法律では、日本の位置(緯度・経度)を正確に測定するため、三角測量の基準となる三角点を設置しなければならないことになっています。
三角点は、主に見晴らしの良い山の山頂や、公共施設の敷地内に設置され、全国に約10万ヶ所設置されています。
前述の通り、愛宕山も天然の山岳で、山頂にちゃんと三角点があるんです。
実は2015年にも愛宕山(愛宕神社)にお参りしていて、そのとき三角点の写真を撮りました。
【写真】山頂の神社境内には、ステキな感じの池に鯉が泳いでいたりして、都心のど真ん中にあるとは思えない、癒しの空間が広がっていました。三角点は池の近くにありました。なお、この写真は2015年2月に撮影したものです。
【写真】ところが、現在は整備工事中で池もなくなっていて、三角点のある場所も立ち入ることができなくなっていました。
【写真】2015年2月に撮影した、愛宕山の三角点です(^o^)