現地に行っていろいろなものを見てくるフィールドワーク系ブログ

今日はいいトイレの日!京都・東福寺の日本最古のトイレを見てきました。大感動です!

探訪日:2023年(令和5年)10月24日(火曜日)

探訪番号:48

投稿日:2023年11月10日

ブログ分類:トイレめぐりシリーズ #1

今月は、2回「トイレの日」があります。

まず、今日11月10日は、トイレ関連企業や建築家、大学の研究者などで構成される日本トイレ協会が1986年に制定した「いいトイレの日」です。これは、「11・10」が「いいトイレ」と読めることから制定されたとのこと。

さらに、2013年には、国連が11月19日を「世界トイレの日(World Toilet Day)」として定めました。

世界では、いまだに20億人の人が衛生的に処理できるトイレを使用できず、6億人を超える人が屋外で排泄しているそうです。

そのような不衛生な環境での排泄が原因で、1日800人以上の子供たちが命を落としているそうです。

日本では、いまやほとんどの家庭に水洗トイレがあり、公共施設や商業施設にも衛生的なトイレが完備されていますが、これは世界的に見たら、とても幸せなことなのかもしれませんね。

現存する日本で一番古いトイレ

ところで私は、先月24〜25日に、京都・奈良に旅行しました。

今回の旅行の主目的は2つあって、一つは後日のブログに書くとして、もう一つの目的は、日本で一番古いトイレを見に行こうと思ったからなのです。

それがあるのは、鎌倉時代に創建され、京都五山の一つに数えられる、東福寺です。

東福寺は臨済宗東福寺派の総本山。禅宗は食事やお風呂、トイレなど日常生活も含めて全てが修行であると考えます。

だから、トイレでの用便の仕方にも、厳しい作法が決められていたそうです。

東福寺のトイレは「東司(とんす)」と呼ばれる建物で、多くの修行僧が一斉に用を足すことから「百雪隠(ひゃくせっちん)」という通称もあります。

【写真】東司です。鎌倉時代の禅寺の東司としては最大で、現存する最古の建物です。国の重要文化財に指定されています。

撮影地:京都市東山区本町(東福寺)

【写真】内部は公開されていないのですが、格子状の壁面から中を覗くことができました。

撮影地:京都市東山区本町(東福寺)

【写真】用を足す穴がたくさん開いていました。写真では見たことがあったのですが、実際見ると、大感動でした!

撮影地:京都市東山区本町(東福寺)

【写真】壁には絵解きも見えました。さすがに個室の仕切りはあったみたいですね。

撮影地:京都市東山区本町(東福寺)
撮影地:京都市東山区本町(東福寺)

東大寺と東福寺から一文字ずつ取って命名

東福寺は、鎌倉時代に摂政関白という役職にあった九条(藤原)道家が、円爾弁円という禅僧を迎えて開山しました。

道家は、奈良の東大寺と興福寺のような、立派なお寺を造りたいと思い、当時の禅寺としては最大の伽藍(がらん=お寺の建物群)を誇るお寺を造りました。「東福寺」の寺号も東大寺と興福寺から一字ずつ取ったそうです。

その後、鎌倉時代に幾度かの火災により建物は失われますが、その度に再建されました。室町〜江戸時代は中世の伽藍を継承しつつ発展しましたが、明治14年の火災で仏殿や法堂などが焼失してしまいました。

今回、東福寺に参拝した最大の目的は東司を見ることでしたが、当然、他の伽藍も拝観しました!

【写真】三門は室町時代初期に再建されたもので、明治の火災でも焼失することはありませんでした。国宝に指定されています。

撮影地:京都市東山区本町(東福寺)

【写真】室町時代に建てられた浴室です。現存する寺院の浴室としては東大寺に次ぐ古さで、国内最大です。浴室といっても、蒸し風呂で、今でいうサウナのような施設だそうです。国の重要文化財に指定されています。

撮影地:京都市東山区本町(東福寺)

【写真】昭和9年に再建された本堂です。御本尊の釈迦三尊像が鎮座しています。

撮影地:京都市東山区本町(東福寺)

【写真】本坊庭園も拝観しました。すてきなお庭がありました

撮影地:京都市東山区本町(東福寺)

【写真】寺内には洗玉澗という川が流れていて、三本の橋が架かっています。それらは東福寺三名橋と呼ばれていますが、今回は時間の関係で偃月橋は行けませんでした。写真は臥雲橋です。

撮影地:京都市東山区本町(東福寺)

【写真】東福寺はもちろん禅寺として修行の場なのですが、観光名所としてたくさんの参拝客が訪れます。とくに通天橋は、紅葉の名所として知られていますが、私が拝観した時は紅葉にはまだまだ早かったです。

撮影地:京都市東山区本町(東福寺)

【写真】通天橋を渡った先には、円爾弁円の尊像が祀られている開山堂がありました。

撮影地:京都市東山区本町(東福寺)

謹告

本日よりイングリッシュネーム(兼ハンドルネーム)として「田村トレイ」を名乗ることにいたしました。

それに伴って、当ブログも『父親傘寿記念 田村トレイ探訪報告』と改題いたしました。