探訪日:2023年(令和5年)11月4日(土曜日)
探訪番号:55
投稿日:2023年12月15日
ブログ分類:大仏めぐりシリーズ #2
千葉県の京成津田沼駅から松戸駅を結ぶ新京成電鉄。ここに、日本で唯一、駅名に「大仏」が入っている駅があります。
それが「鎌ヶ谷大仏」駅です。
明治時代には、奈良市に関西鉄道(現存せず)の大仏駅、京都市に京阪電鉄の大仏前駅という駅があったみたいですが、現在では鎌ヶ谷大仏駅が鉄道駅として唯一「大仏」を名乗る駅となっています。
駅名になっているくらいだから、さぞ大きな大仏なのだろう、と想像しますが、なんと、駅近くに鎮座する大仏は高さが180センチメートル、台座を含めても230センチメートルしかないんです。
だから、「日本一小さい大仏」と言われたり、また、「がっかり大仏」などと言われたりしています。
【写真】鎌ヶ谷大仏駅の2つ先の駅、新鎌ヶ谷駅近くにあった、鎌ヶ谷市観光案内図の看板です。大仏が大きく写っていますが、隣にスケールがあり、頭のてっぺんが180cmだと分かりますね。
【写真】鎌ヶ谷大仏駅は1面2線のこじんまりした駅です。
【写真】ホームに「市民から愛される鎌ヶ谷大仏」と書いてあるポスターが貼ってありました。上の観光案内図からも分かるように、鎌ヶ谷市のシンボルになっているみたいですね。
【写真】駅の入り口です。
【写真】駅から歩いて1分、ほぼ駅前といっていい場所に鎮座する、鎌ヶ谷大仏です。交通量の多い、木下街道沿いにあり、気がつかずに通り過ぎてしまいそうな大仏様です(^。^)
江戸時代の木下街道は、銚子から江戸に鮮魚を運んだり、また、参勤交代の通り道として賑わっていて、鎌ヶ谷宿も繁栄していたそうです。
そんな鎌ヶ谷宿に住んでいた富豪の大国屋(福田)文右衛門という人が、先祖の供養のために安永5年(1776年)、江戸・神田の鋳物師・多川主膳に鋳造させた大仏だそうです。
大仏の開眼供養の際は、文右衛門さんの自宅から大仏のある場所までの300メートルに琉球表を敷き詰め、僧侶50名を請じ、江戸の高級料理屋八百膳から300人分の料理を用意し、音楽に合わせてねり供養を行ったそうです。
【写真】近くで拝観すると、がっかりどころか、250年の歴史を感じさせる、貫禄ある大仏様で感動しました。
【写真】現在は鎌ヶ谷市指定文化財となっていますが、もともとは私的に造られた大仏ですので、寺院があるわけではなく、墓地の中に鎮座していました。
【写真】アップにして撮ると、奈良や鎌倉の大仏にも負けず劣らずの堂々とした佇まいです。
【写真】大きな背中もパチリ!「がっかりなんて言わないで〜」と言わんばかりの哀愁も感じました。