探訪日:2024年(令和6年)2月22日(木曜日)
探訪番号:63
投稿日:2024年2月25日
ブログ分類:五重塔めぐりシリーズ #5
東京の新宿と多摩地域を結ぶ京王線。「芦花公園駅」や「聖蹟桜ヶ丘駅」など、歴史を感じさせるユニークな駅名がいくつかありますが、東京都日野市にある「高幡不動駅」もその一つでしょう。
大正14年に駅ができた時は「高幡駅」を名乗っていましたが、昭和12年に「高幡不動駅」と改称されました。
「高幡」は地域名だということは予測できますが、「不動」とはいったい何なんでしょうか?
仏教で不動明王を本尊とする寺院は「不動尊」と呼ばれることが多いです。高幡不動駅の近隣にある、真言宗智山派の寺院である高幡山明王院金剛寺も不動明王を本尊とし、「高幡不動尊」と呼ばれることから、駅名も「高幡不動」と名付けられたのです。
高幡不動尊は、平安時代に清和天皇の勅願によって、慈覚大師円仁という偉いお坊さんが東国鎮護の霊場として不動明王を安置したのが始まりだそうです。今では、千葉県の成田山新勝寺などと共に「関東三大不動」の一つに数えられ、京王線の他に多摩都市モノレール線も利用できて交通の便もよいこともあって、たくさんの参拝客が訪れます。
ところで、そもそも「不動明王」とはどんな仏様なんでしょうか?これは、仏教で最高位の仏様である大日如来の化身とされています。煩悩にまみれ、信仰心の薄い俗世の人たちを諭し改心させるため、激しく怒ったような怖い表情で、明王という位の低い姿に変身して、我々の前に現れた仏様なんです。
インドの古い言葉であるサンスクリット語では「アチャラ・ナータ」といい、意味は「動かない守護者」。つまり、ぶれのない揺るぎない心を持った仏様ということで、これを漢字で訳したのが「不動明王」というわけだったのです。
高幡不動尊には五重塔がありますので、お参りして見に行ってきました。
【写真】京王線ホームの駅の看板です。カッコいい駅名ですよね!
【写真】駅の外観です。近代的で、カッコいい駅舎です。多摩都市モノレールの駅も近くにあります。
【写真】駅前に高幡不動尊参道がありました。
【写真】駅から歩いて5分でお寺の入り口に到着です。
【写真】入り口のすぐのところにある仁王門です。室町時代に建てられたもので、国の重要文化財に指定されています。
【写真】仁王門の先には不動堂がありました。こちらも室町時代に建てられたもので、国の重要文化財に指定されています。後方には五重塔が見えますね。
【写真】五重塔は昭和50年(1980年)の竣工です。平安時代の様式を模した美しい造形です。
【写真】初重は扉が開いていて、お参りできるようになっていました。年に何回かは、中に入って登れる行事もあるみたいです。機会があったら、登ってみたいです。
【写真】新選組の副長としてお馴染みの土方歳三の像がありました。今の日野市で生まれ、高幡不動尊は土方家の菩提寺だったんです。