探訪日:2024年(令和6年)6月1日(土曜日)
探訪番号:83
投稿日:2024年10月15日
ブログ分類:橋を渡るシリーズ #7
前回のブログでは、日本橋川の最も河口に架かる豊海橋を渡ったことを書きました。
豊海橋からすぐ先で日本橋川は隅田川に合流します。その合流地点のすぐ川下に架かるのが「永代橋(えいたいばし)」です。
【写真】アーチ部分の曲線が美しい、永代橋の全景です。
最初に永代橋が架けられたのは、元禄11年(1698年)、今の橋より少し上流側に架けられたそうです。
文化4年(1807年)には、富岡八幡宮の礼祭で多くの人が永代橋に押し寄せ、重みに耐えられす橋桁が崩壊、1500人以上が死亡するという、我が国の橋梁事故では最悪の被害者を出しています。
また、元禄15年(1702年)には、両国の吉良邸に討ち入りをした赤穂義士が永代橋を渡って泉岳寺に向かったという記録が残っています。
明治30年(1897年)に、現在地に道路橋としては日本で初めて鋼鉄製の橋梁として架け替えられました。鉄製の橋ではありましたが、床版(道路部分)は木製だったため、大正12年(1923年)に発生した関東大震災で炎上、鉄骨部分も変形するなどしたため、帝都復興計画により架け替えが決まり、大正15年に現在の橋が完成しました。
【写真】中央部分の支間長(橋脚と橋脚の間の長さ)は、日本で初めて100メートルを超えた橋です。ドイツのライン川に架かる、レマゲン鉄道橋をモデルにしています。
【写真】迫力のあるアーチリブ部です。
【写真】アーチリブから伸びる吊桁が橋桁を支える構造です。
【写真】両端は突桁になっています。また、周辺は地盤が弱いため、両端に水平反力がかからないタイドアーチ橋という構造が採用されました。国内に現存するタイドアーチ橋では最古のものとなっています。
永代橋では、夜になると美しいライトアップが実施されています。夜の永代橋にも行ってみました。
【写真】青いライトアップがステキです。
【写真】屋形船が通りました。船から見る橋は、キレイでしょうね。
【写真】2000年には、第一回土木学会選奨土木遺産に選定されました。また、2007年には、国の重要文化財に指定されています。