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東京モノレール開業60周年!開業時塗色のラッピング電車に乗って、記念乗車券も買いました!テレビに出そうになって、焦りました!

探訪日:2024年(令和6年)9月15日(日曜日)

探訪番号:78

投稿日:2024年9月17日

ブログ分類:気になる乗り物に乗るシリーズ #3

東京の浜松町と羽田空港を結ぶ、東京モノレール。飛行機をよく利用する方には、おなじみのアクセス交通機関なのではないでしょうか?

羽田空港へのアクセス手段としては、昭和30年代までは自動車しかありませんでした。京急(京浜急行電鉄)が近隣まで路線を営業していましたが、空港ターミナルに直結する鉄道路線はなかったのです。

昭和34年(1959年)5月のIOC総会で、1964年の夏季オリンピックの開催地が東京に決定されると、増加が見込まれる外国人観光客の輸送を担うべく、モノレール線の建設が構想され、同年8月にモノレールの運営を目的とした大和観光という会社が設立されました。当時はまだ成田空港は無く、東京の国際線旅客機の発着は羽田空港だけだったのです。

大和観光はその後、日本高架電鉄と社名を変更し、昭和38年(1963年)5月、浜松町と羽田空港の間のモノレール線の建設を開始。さらに、東京モノレールと社名を変更して、東京オリンピック開幕(10月10日)の約1ヶ月前の昭和39年(1964年)9月17日、開業にこぎつけたのです。

つまり、今日で東京モノレールの開業から、ちょうど60周年ということになります。

一昨日は、モノレールの終着となる羽田空港第2ターミナル駅で記念イベントが実施され、記念乗車券も500セット限定で発売される、という情報を得たので、買いに行ってきました!

【写真】発売場所は改札外でしたが、行列は改札の中にできていました。

撮影地:東京都大田区羽田空港(羽田空港第2ターミナル駅内)

改札の外は羽田空港のターミナルビルに直結していて、多くの空港利用客がいらっしゃいます。そんな中で大行列なんか作ったら迷惑千万、ということで、改札の中に行列を作らせる、というオペレーションになっていました。

発売は10時からの予定でしたが、9時半に繰り上げられました。5人ずつ順番に改札の外に案内され購入する、という方式でしたので、混乱もなくスムーズ。私は1時間ほど並び、10時15分ごろ購入することができました!

【写真】シックでカッコいいデザインの記念乗車券の表紙です。

撮影地:東京都大田区羽田空港(東京モノレール車内)

【写真】中を開けるとこんな感じで、切符が入っていました。券番は並んだ順では無くランダムでしたが、私のは「0021」番でした。21世紀をイメージするし、私の誕生日も21日ですから、嬉しかったです。

開業60周年を記念して、開業時の塗装を施したラッピング電車が運行されることになり、10時55分発の列車では、東京モノレール社員によるお見送りが実施される、ということで、その電車で帰ろう、と思いました。

【写真】10時55分までは少し時間がありましたので、5階の展望デッキで、離陸する飛行機を眺めていました。

撮影地:東京都大田区羽田空港(羽田空港内)

【写真】10時55分近くになると、ラッピング電車がホームに入っていました。ドアのところに、「乗るたびにドラマがある」というステッカーが貼ってありました。

撮影地:東京都大田区羽田空港(羽田空港第2ターミナル駅内)

【写真】車内は「東京モノレールミュージアム」と銘打って、東京モノレールの歴史を追ったポスターが掲示されていました。

撮影地:東京都大田区羽田空港(東京モノレール車内)
撮影地:東京都大田区羽田空港(東京モノレール車内)
撮影地:東京都大田区羽田空港(東京モノレール車内)

10時55分、電車は定刻通りに出発したのですが、なんと、私は社員によるお見送り、というのをすっかり忘れていました。出発してしばらくして、進行方向右手の窓から、たくさんの社員の方が手を振ってくださっていたのが見えましたが、車内の写真を撮って安心していた私は、スマホをしまっていて、慌てて気づいてスマホを取り出した時は、すでに通過してしまっていました(^^;)

【写真】浜松町駅に到着した、開業時塗装の電車です!

撮影地:東京都港区浜松町(浜松町駅構内)
撮影地:東京都港区浜松町(浜松町駅構内)

【写真】2018年まで使用されていた、東京モノレールのマークもしっかり再現。モノレールの「M」を図案化したものですが、国鉄(今のJR各社の前身)のマークにそっくりな意匠です。

撮影地:東京都港区浜松町(浜松町駅構内)

【写真】ちなみにこちらは2018年に制定された、新しいシンボルマーク。羽田空港への輸送を担うことから、翼をイメージした「M」のデザインを中央に配し、都心側のターミナルは浜松町駅であることから、緑の丸は山手線を表しているそうです!

撮影地:東京都港区浜松町(浜松町駅構内)

【写真】浜松町駅で撮った、案内板です。「モノレール」のレトロな感じの書体がグッド!可愛らしい車両のアイコンもいいです。

撮影地:東京都港区浜松町(浜松町駅構内)

【写真】こちらには、「東京モノレール」のロゴもありました。

撮影地:東京都港区浜松町(浜松町駅構内)

東京モノレールの将来は?

私は、東京モノレールファンなのですが、一部では将来的に廃止されるのでは?という声もあり、ちょっとヤキモキしています。

というのも、前述の通り、かつては羽田空港へ乗り入れる鉄道は東京モノレールが独占していましたが、1998年に京急が空港ターミナルビルに乗り入れてからはモノレールの利用者が減少、浜松町から羽田空港までノンストップの快速電車を走らせるなど対抗しますが、いまだに利用者数では京急の後塵を拝しています。

さらに将来的には、JR東日本が羽田空港に乗り入れる、羽田空港アクセス新線の開業を計画していて、もしそれが出来たら、東京モノレールはかなりの打撃を受けることは必至で、それで廃止論も出るようになったのです。

NHKで放送されていた『ブラタモリ』の汐留の回で、タモリさんがJR東日本の担当者に、羽田空港アクセス新線が出来たら、東京モノレールはどうなるんですか?とナイスすぎる質問をしたのを観ていました。

JR東日本の担当者は言葉に詰まりながらも「途中駅の利用もありますから…」と、明言は避けたものの、廃止は無い、といったニュアンスの回答でした。

実は東京モノレールは2002年からJR東日本の子会社になっているのです。むろん『ブラタモリ』のJR東日本の担当者の発言がどこまで社内コンセンサスを反映させたものか分かりませんが、私は番組を観ていて、ちょっと安堵したのでした。

開業時、途中駅がなかった東京モノレールですが、1965年の大井競馬場駅の開業を皮切りに、現在は浜松町と羽田空港内4駅の間に、6駅もの途中駅があり、通勤での利用も結構あるんです。実は、8年くらい前、私は流通センター駅近くの倉庫で働いていたことがあり、3ヶ月で辞めてしまいましたが、東京モノレールでの通勤経験もありました。

さらに、マンションなど住民が増えている浜松町〜天王洲アイル間に新駅の建設も噂され、なんとか東京モノレールは生き残ってほしいな、と思っています。

NHKにインタビューされそうに…

NHKと言えば、記念乗車券の発売の様子を取材クルーの方達が取材していました。

それで、なんと、私が乗車券を買うと、いきなりスタッフの方から「NHKですが…」と声をかけられ、インタビューの依頼をされました。が、私は速攻でお断りして、そそくさとその場を離れました。ブログでも顔を晒してないのに、全国に生き恥を晒すような気がして…。

母親にこのことを言ったら「自意識過剰」と一刀両断。う〜ん、確かにそうかも。。。でも、私はNHKの番組は大好きで、NHKファンなのですが、やっぱりNHKは出るもんじゃなくて観るもんかな、と思っています(#^.^#)

【写真】記念乗車券の販売ブースです。右端にカメラを構えたNHKのクルーが写っています。

撮影地:東京都大田区羽田空港(羽田空港第2ターミナル駅内)

【写真】NHKのクルーの方には悪いことをしましたが、すぐに別の方を捕まえてインタビューしていました。インタビューされていたのは、私よりシュッとしたダンディな感じの男性。そちらの方のほうが、ずっとテレビ映えする感じでした(^_^)

撮影地:東京都大田区羽田空港(羽田空港第2ターミナル駅内)

それで、家に帰ってNHKニュースを確認したら、上の写真のえんじ色のシャツの男性のインタビューがバッチリ放送されていました。また、ラッピング電車の出発式の様子も放送されていて、私は後ろから2両目に乗っていたのですが、ちょうどカットされていました(≧∇≦)

▼下のURLから記事をご覧いただけます。

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20240915/1000109049.html

東京モノレール線の維持もさることながら、車両形式も維持してほしいです。私の妄想的夢もあります。

世界的に見ると、モノレールはどちらかと言えば斜陽の交通機関。そんな中でも、日本国内には現在8社が営業していて、モノレール大国となっています。

現在国内で営業中のモノレールの方式は3種類。かつてはロッキード式や東芝式など様々な方式がありましたが、それぞれ欠点があり現在は製造されていません。当ブログでも以前取り上げた上野動物園モノレールも上野懸垂式という独自方式で、それが仇となって新造や修理の費用が割高になってしまって、結局廃止されてしまいました。

東京モノレールは、日立製作所がドイツのアルウェーグ社と技術提携して製造した日立アルウェーグ方式を採用。かつてはよみうりランドモノレールや名鉄犬山モノレールでも採用されていましたがいずれも廃止、現在は東京モノレールが唯一となっています。

その後、運輸省(当時)がコスト削減のために日立アルウェーグ方式を元に規格を統一した日本跨座式という方式を開発、北九州高速鉄道、大阪モノレール、多摩都市モノレール、ディズニーリゾートライン、沖縄都市モノレールで採用されています。

なお、もう一つの方式は、湘南モノレールと千葉都市モノレールで採用されている懸垂式のサフェージュ方式です。

日立アルウェーグ方式はタイヤ部分が車内の床に張り出す構造になっていて、床がフラットではない、という欠点があります。日本跨座式はその欠点を解消し床面がフラットになったものの、車高が高くなってしまって、高速走行ができないという欠点があるんです。東京モノレールは車高が低い分、高速走行が可能で、開業時は最高時速100km、現在も80kmで走行しています。

規格が統一された日本跨座式モノレールですが、2003年の沖縄都市モノレールの開業を最後に、国内でのモノレールの新規開業はなく、現在は神戸ポートライナーや埼玉のニューシャトル、横浜シーサイドライン、東京のゆりかもめや日暮里・舎人ライナーのような、案内軌条式の新交通システムが主流となっています。

【写真】東京モノレールは、床がフラットでないことを逆に活かして、椅子が高い位置に設置され、窓側を向いた席もあって車窓の視認性を高めた、ユニークな席の配置となっています。アタッシュケースの置き場もあって、空港アクセス線の特徴も活かしています。

撮影地:東京都大田区羽田空港(東京モノレール車内)
撮影地:東京都大田区羽田空港(東京モノレール車内)

空港利用者の輸送や通勤で利用される東京モノレール。しかし、将来的な利用者減少に備え、観光的要素も取り入れた方がいいかな、と思っています。

モノレールは案内軌条式の新交通システムと違って高架の壁がない分、車窓から真下が見える構造になっています。特に東京モノレールは前述の通り車高が低く、また、用地確保の問題で運河上に線路が設置されていることもあり、懸垂式の湘南や千葉のモノレールにも匹敵する、まるで空中を飛んでいるような迫力ある車窓の風景が広がります。

今は唯一となってしまった日立アルウェーグ方式ですが、この方式はなんとか維持して、車窓も楽しめる観光要素も強い路線にしてほしいな、と思っています。

さらに、私の妄想的な夢は、ゆりかもめも案内軌条式から日立アルウェーグ方式モノレールに転換して、東京モノレールも浜松町駅から旧芝離宮恩賜庭園の脇を通って汐留大通りでゆりかもめと合流して新橋駅まで直通させる、というものです。ゆりかもめは今でもお台場地区など車窓が楽しめる路線となっていますが、日立アルウェーグ方式モノレールなら、もっと迫力のある車窓になるんじゃないのかな、と妄想しています。

【写真】開業時塗装のラッピング電車には、日立・アルウェーグのロゴも再現。カッコ良すぎて、この塗装はずっと残してほしいと思うくらいです。

撮影地:東京都港区浜松町(浜松町駅構内)