探訪日:2024年(令和6年)10月2日(水曜日)
探訪番号:89
投稿日:2025年1月25日
ブログ分類:博物館めぐりシリーズ #10
日本の近代化に欠かせないものといえば、鉄道でしょう。近代日本は、鉄道とともに発展してきた、と言っても言い過ぎではないと思います。
かつて日本にも、さまざまな形態の鉄道が走っていましたが、効率性・採算性・速達性が優先され、今や全国どこでも同じような規格の路線、車両の鉄道ばかりになっている気がします。
もちろん、効率性・採算性・速達性が重要だということは否定しないのですが、昨今の鉄道ブームを考えると、これまで廃止されたユニークな鉄道施設や路線、車両も、今でも残しておけば、相当の観光資産になっていたのではないかな〜、と思うことがあります。
昨年2024年にも、全国でいくつかの鉄道が廃止され、私はそのうち3つを廃止される前に見に行こう、と計画しました。
その3つとは、4月で廃止となった広島県のスカイレール、11月で廃止となった富山県のトロリーバス、また、鉄道ではないのですが、3月で廃止となった新潟県のスイッチバック式バスターミナルです。
広島県のスカイレールは懸垂式モノレールとロープウェイを掛け合わせたような世界唯一の乗り物でした。富山県のトロリーバスは国内に残る最後のトロリーバスでした。新潟県のスイッチバック式バスターミナルは、大規模なものとしては、国内最後のものでした。
このうち、新潟県のバスターミナルは2月に見に行きました。その時の様子をブログに書きました。
また、広島県のスカイレールは、時間的・金銭的な制約により、断念。でも、富山県のトロリーバスは、なんとしても乗りに行きたい!と思って、10月に行ってきました。
国内最後のトロリーバスは、立山黒部アルペンルートの立山トンネルで運行されていました。当初の計画では、富山市に前泊し、富山市内を観光して次の日に立山黒部アルペンルートで長野県側に抜けて東京(千葉)に帰ってくる、というものでした。
しかし、それだとトロリーバスは1回しか乗れないし、宿泊代もかかってしまうため、長野県側から立山黒部アルペンルートに入り、トロリーバスの富山県側の終着の室堂駅で折り返し日帰りで帰ってくる、という計画に変更しました。
時刻表とにらめっこし、始発の新幹線に乗れば、タイトではあるが何とか日帰りで帰ってくることができる、ということがわかり、計画を立てました。
【写真】東京駅6時16分発の北陸新幹線始発のかがやき501号敦賀行きに乗りました。
【写真】長野駅で下車し、駅前のホテルメトロポリタン長野のバス乗り場から、8時ちょうど発のアルピコ交通の特急バスで、立山黒部アルペンルートの長野県側の出発点となる扇沢駅に向かいました。
【写真】2時間ほどで扇沢駅に到着しました。
【写真】扇沢駅からは、黒部ダム建設のために造られた関電トンネルを走る電気バスで黒部ダムまで行きます。開通60周年の横断幕がありました。
【写真】電気バスの切符売り場です。
【写真】電気バスは30分間隔で運行されていますが、時間指定制でした。私はインターネットで事前に予約しましたので、スムーズに発券されました。
電気バスの出発まで1時間ほど時間がありましたので、周辺を散歩することにしました。
実は、2018年まで、関電トンネルにもトロリーバスが運行されていました。それで、近くにトロバス記念館というのがあって、かつてのトロリーバスの車両が静態保存されていましたので、見に行ってきました。
ところで、トロリーバスとは何なんでしょうか?普通のバスとは何が違うのでしょうか?
トロリーバスは道路をタイヤで走るのは一般のバスと同じですが、動力がガソリン・軽油によるエンジンではなく、電気によるモーターである点が大きく異なります。さらに、車載バッテリーからのみ給電される電気バスとは違い、鉄道の電車と同じように、道路上に張られた架線から給電される、という方式なのです。
法律上は「無軌条電車」と言って、鉄道の一種として位置付けられています。かつては東京、川崎、横浜、名古屋、京都、大阪といった大都市でも公共交通機関として運行されていました。排気ガスが出ないというメリットはあったものの、設備が複雑であることや、架線が張られた道路上しか走行できないなどのデメリットがあって、1972年に横浜市営トロリーバスが廃止されて以降、立山黒部アルペンルートのトロリーバスが国内唯一の運行となっていました。
【写真】扇沢総合案内センター内にトロバス記念館がありました。
【写真】1階と2階に、かつて関電トンネルで走っていたトロリーバスの記念の展示がありました。
【写真】黒部ダムの模型もありました。
【写真】建物の外に、トロリーバスが静態保存されていました。
【写真】なんと、中に入ることができました!「虫が入るため、扉を閉めてます」という張り紙もありました。
【写真】トロリーバスの仕組みの掲示がありました。鉄道の電車のようなパンタグラフではなく、トロリーポールという独特な形の棒状の集電装置から電気を受けます。
【写真】記念館の2階から、トロリーバスを上から撮りました。
【写真】記念館の1階には、トロリーバスの運転席と座席を模したモニターが設置され、関電トンネルのトロリーバスが運行されていた時の映像が流れていました。
【写真】ご覧ください。トロリーバスが走行するのはアスファルトの道路ですが、電化された鉄道のように、架線が張られていますよね。
そんなわけで、次回以降のブログでは、関電トンネル電気バス、黒部ダム、やはり11月に廃止になった黒部湖遊覧船ガルべ号、そして、立山トンネルトロリーバスの様子を記事にする予定です。