探訪日:2025年(令和7年)5月27日(火曜日)
探訪番号:103
投稿日:2025年7月15日
ブログ分類:パワースポットめぐりシリーズ #20
東京都内の寺院のうち、一番歴史があるのは浅草の浅草寺で、西暦628年の創建と伝えられていますが、二番目に歴史があるのは、調布市にある深大寺(じんだいじ)です。
深大寺は西暦733年、満功上人というお坊さんが開きました。
満功上人の父親の福満は、右近の娘と恋仲となりましたが、右近夫妻はこれを良く思わず、娘を湖に浮かぶ島にかくまってしまいます。
そこで福満は、水神として知られる深沙大王に祈願すると、湖の中から霊亀が現れて背中に乗って島までたどり着いて右近の娘と会うことができたのです。
この話を聞いた右近夫妻も二人の仲を許し、満功上人が生まれたのです。
満功上人は福満の深沙大王を祀ってほしい、という願いを叶えるため、仏門に入って法相を学び、父の願い通り深沙大王を祀ったのが深大寺の始まりです。
このように、もともとは法相宗の寺院として創建されましたが、平安時代、清和天皇の代に天台宗に改宗しました。
ご本尊は阿弥陀如来像ですが、秘仏として、元三大師像も祀られています。
元三大師とは、平安時代の天台座主(天台宗で一番偉い僧侶)の慈恵大師良源という僧侶の通称です。正月3日に亡くなったので「元三大師」と呼ばれるようになったのです。
亡くなった後も、飢饉や疫病から守ってくれる神様として信仰が広がり、全国各地の天台宗のお寺に仏像が祀られるようになったのです。
さて、深大寺の元三大師像は、秘仏ゆえ、御開帳は50年に一度で、昭和9年(1934年)と昭和59年(1984年)に行われましたが、平成21年(2009年)にも中開帳として御開帳が行われました。
本来なら次の御開帳は令和16年(2034年)のはずですが、老朽化が激しく修理が必要となり、奈良の美術院国宝修理所で3年にも及ぶ修理が行われ、修理が完成したのを記念して、先月まで特別に御開帳が行われたのです。
【写真】江戸時代に造られた山門です。「特別大開帳」の札も立っていました。
【写真】ご本尊が安置されている本堂です。回向柱も立っていますね。
【写真】元三大師像は、本堂の隣の元三大師堂に祀られています。入り口にも札が立っていました。
【写真】大開帳のポスターもありました。「本来五十年に一度の所を臨時」のコピーライティングがステキです*\(^o^)/*
【写真】元三大師堂の前にも回向柱が立っていました。善光寺や川崎大師と違い、回向柱に触れる方はあまりいらっしゃらなかったです。
【写真】とりあえす、回向柱に触れて、元三大師様と結縁できました!
【写真】元三大師堂の隣に、大開帳の入り口受付がありました。
【写真】平日にも関わらず、なんと、待ち時間90分の表示!!
【写真】深大寺は東京の都心からさほど離れていないのですが、周囲は武蔵野の自然豊かな環境にあります。まるで山道のようなところに、たくさんの善男善女の皆さんの行列ができていました。
【写真】途中にこんなポスターが!そして、木の根本の方を見ると、なんと、大きなハチが飛んでいました。イラストのような可愛い感じではなく、こっちに飛んで来ないかな?とちょっと恐怖感(^◇^;)
【写真】途中に、日本野鳥の会の創設者である中西悟堂の像もありました。中西悟堂は深大寺で得度した、天台宗のお坊さんでもあったんです。ちなみに、私は日本野鳥の会の会員なんです。といっても、年会費を払っているだけで、今まで一度も活動をしたことはないんですけどね(*^_^*) それにしても、お顔に鳥の糞がべったり。どれだけ野鳥に好かれているんでしょうか(^^;)
【写真】ようやく、受付に辿り着きました!90分はかかりませんでしたが、1時間ほど並びました。
深大寺の元三大師像は鎌倉時代に造られ、高さはなんと195.1cmもあり、私よりもはるかに高かったです。しかも、坐像ですから、立像だったら、身長何センチになるのか、という感じです。
日本彫刻史に重要な意義を持ち、関東における元三大師信仰の歴史と文化を示す点が評価されて、2020年に東京都指定有形文化財となりました。
厄除けの神様として、少し怖いお顔で、大きな像で、ものすごい迫力がありました。和尚様がお経を唱えてくださり、お参りできて、とてもよかったです。
【写真】元三大師は、おみくじの元祖とも言われているそうです。また、深大寺のおみくじは、凶が多いことで有名とか。凶が三割を占めています、と書いてありますね。
【写真】おみくじを引ける場所がありました。
【写真】おみくじ箱からおみくじ棒を引いて、その番号のお札を取る方式です。さて、何番が出るかな〜?
【写真】六十六番でした。
【写真】六十六番は…?
【写真】ぎゃ!やっぱりの「凶」です!「水は動かざればくされ水となり、鳥が羽を失へば落つ、此の人は運悪き人なり」すごい言われようです(^^;;)でも、ポスターには、凶は吉に好転する力を秘めています、と書かれていましたので、今後に期待!
【写真】おみくじを引いた後、御開帳記念の版画札も受けました!平安時代、疫病が流行し、元三大師が鏡の前で坐禅を組んで祈祷すると、なんと、鏡に映る元三大師が鬼の姿に変わり、それを弟子が書き写しました。それをお札にして配り、それぞれの家の戸口に貼ると、疫病はぴったり消えて亡くなったそうです。
【写真】深大寺には、江戸時代に造られた鬼大師の板木が伝わっていますが、その図柄を元に今回新たに板木を作り、その版画札が頒布されていました。
【写真】そしてなんと、お札の余白にセルフ方式で祈願のスタンプを押せるようになっていました。
【写真】私は欲深ゆえ、バランス無視で全てのスタンプを押しました(#^.^#)
【写真】深大寺には、白鳳仏(飛鳥時代に作られた仏像)の銅造釈迦如来倚像もあります。倚像とは椅子に腰をかけた仏像でとても珍しいばかりか、関東地方に伝来した数少ない白鳳仏ということで、2017年に国宝に指定されました。境内奥の釈迦堂に安置されています。
【写真】釈迦如来倚像にもお参りしようと思ったら、奈良で開催中の博物展にお出かけ中でした(≧∇≦)